日本の看護師という国家資格は細分化されていませんが、海外の看護師免許は複数に分かれている国が少なくありません。
たとえば、米国の看護師免許は、認定看護助手から専門看護学専門家まで5段階に分かれています。認定看護助手は一番低いランクで、血圧や体温などを測定するバイタルチェックや生活介護など、医療行為に至らない業務を担当します。最上位の専門看護学専門家になると、助産師やナース麻酔医も含まれ、高度の医療行為に携わることができます。専門看護学専門家は、その専門性の高さから、ドクターと同等の地位に置かれることも珍しくありません。
これに対して、日本の看護師は、原則としてあくまでも医師の補助という形でしか医療行為に関わることができません。医師からの具体的指示がないと、看護師は注射や点滴といった医療行為を行うことができないのです。もっとも、看護師が特定行為研修を受ければ、特定の医療分野について医師からの包括的指示だけで医療行為ができます。
看護師の待遇についても、海外と日本では違いがあります。欧米の医療機関では、看護師が1ヶ月以上連続して休暇を取ることも珍しくありません。給与は一定額が保証されており、安定した生活を送ることができます。
日本の看護師は慢性的な人手不足のため、連続した休暇を取ることが難しい現場が多いでしょう。ただし、夜勤に看護師の仮眠が認められないため、夜勤明けに連続して勤務することは禁じられています。給与については、海外ほど高給ではないが、国内では安定した職業として人気があるようです。